洋梨と和梨
和梨は日本で栽培されている果物の中でも歴史が古く、日本書紀にも栽培の記述が残っています。同じく洋梨の歴史も古く、古代ギリシャの時代にはすでに栽培されていたといいます。
まん丸の形をした和梨とひょうたんのような形をした洋梨。見た目こそ違いますが、どちらも梨。ほぼ同じような成分で出来ています。ほとんどが水分ですが、身体からナトリウムを出す働きがあるカリウムを多く含むので、高血圧症の方によいといわれています。
洋梨は豊潤な香りと甘さがあり、ねっとりとした食感。和梨は甘酸っぱくシャキシャキとした食感。同じ梨でもそれぞれ異なる特徴があるのはどうしてでしょう? そのヒントは「追熟」といわれる熟し方の違いにあります。
追熟で完成する洋梨の美味しさ
洋梨は収穫してから一定期間、温度・湿度を保ちながら保存し、成熟させてから食べる果物。どんなに素晴らしく育てあげて収穫しても、この追熟の仕方次第で味がほんとうに違ってしまうのです。
収穫したては、がりがりの食感であまり甘みも感じず、美味しくない梨に思えるのですが、追熟によって糖分に分解されることで、甘さと滑らかな食感が生まれます(ただ、美味しさは所変われば品変わるで、農家さんが台湾で試食販売した時は、追熟前の洋梨の方が好評だったらしいです。食べる人の慣れ親しんだ食感や味覚は場所と環境で違ってくるものです)。
収穫後は毎日、洋梨とにらめっこの日々が続きます。美味しく追熟させることができるのは、長年の経験がなせる業。そして努力が必要です。
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ラ・フランスやル・レクチェなどの洋梨を農家から産地直送でお届けいたします。農家さんが追熟の具合を見て最適なタイミングで出荷します。
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もぎたてが美味しい和梨
洋梨に対して和梨は、もぎたてフレッシュが美味しい果実。樹上で熟したら、その時が美味しい。シャリシャリ、サクッとした食感も心地よく、水分の多い中にある甘み、これが他にはない美味しさですね。海外や南国のフルーツのような、強烈な甘さや香りの主張はないのですが、奥ゆかしいといいましょうか、日本ならではの繊細な美味しさが魅力の果実です(味がわかりづらいからか、梨ジュースとかあまりないですよね)。
和梨には赤梨と青梨がありまして、昔は赤梨の代表は長十郎、青梨なら二十世紀。私が子供の頃は、梨といえばどちらかでした。そして、どちらの長所短所もはっきりしていました。あくまで自分の印象ですが、甘いけどもっさりしている感じの長十郎と、水分が多くて爽やかだけど、甘さが少なくあっさりめの二十世紀。
最近の和梨は多品種
現在、和梨の中で最も多い生産量を誇るのは、赤梨の幸水という品種。果皮は基本的に褐色ですが、やや黄緑がかったものもあります。赤梨・青梨といっても、双方の掛け合わせから出来ている品種も多いので、昔の特徴が出たりするんですね。やわらかい果肉には果汁がたっぷり含まれ、あっさりしていますが、しっかりと甘みがあります。最近の梨は品種改良がすすんで、昔の梨のいいとこ取りの和梨になっているわけで、赤梨・青梨の違いというより、品種の好みで選ぶ時代になっています。
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幸水、秋麗、あきづき、新高など様々な品種の和梨を農家から産地直送でお届けいたします。もぎたてのフレッシュな和梨をお楽しみください。
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梨作りの名人たち
今回、2カ所の農園を訪れました。和梨から洋梨まで作る新潟県の捧さんと、さくらんぼと洋梨を作っている山形県の黒田さん。どちらも除草剤は使わず、農薬の使用も極力抑えたエコファーマー。だから、草ぼうぼう。でもその分、梨の木はとても丈夫に育ち、元気です。木が元気でなければ、実も絶対美味しくならない。その樹勢を抑えるのも両人の技。上に上に伸びていく枝を抑えて、果実に十分栄養が行くようにする。代々受け継がれた農園主たちの経験、努力によって、それぞれの名人が作る梨は、他の農園の梨と比べると、とても大きい。しかも、けっして大味にならずに美味しいんです。
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