(写真:有松絞りのシャツ)
― KUONの服は古くからある素材を取り入れながらも、デザインは現代的で新しさを感じます。KUONの服を買いに来るお客様はどんな方が多いですか?
長谷川)年齢層は幅広くて10代の大学生から60代の方までいらっしゃいます。その中でも2〜3割ぐらいが海外からのお客様です。アメリカ、アジア、ヨーロッパなど様々な地域から足を運んでいただいてます。
洋服好きな方はもちろん、もともとファッションには興味がなかったけど、襤褸や刺し子が好きで興味をもってくれたり、KUONの精神性やモノづくりの背景に共感してお店に通ってくれる方が多いです。
古布を自分で集めているお客様も多いですよ。
― 外国人のお客様も多いんですね。KUONは海外のショップとも取引していますよね。日本の伝統的な素材を用いた洋服は海外ではどのように受け入れられていますか?
長谷川)日本の伝統技術などに興味を持った海外のお客様が『襤褸』をインターネットで検索して、KUONのブランドやお店を知ってご来店いただくことが多いです。アートを見るように襤褸ジャケットをご覧いただけることが多いです。
襤褸以外にも、職人による天然染めのアイテムや裂き織りや刺し子のアイテムを見て感動される方が多くいらっしゃいます。伝統的な手間ひまかけたアイテムだからということだけではなくて、「ファッションアイテムとしてカッコいい」と思って着てくれる方が多くいます。
また本物の襤褸以外にも、アップサイクルボロ・タイプ2と呼んでいる、工場で出る端切れをアップサイクルして蘇らせた生地があります。こういった「もったいない。モノを大事にする精神性」も評価いただけております。
― お気に入りのアイテムを教えてください。着こなしのコツも。
長谷川)お気に入りのアイテムは、キモノカラーシャツ、ハカマパンツ、お土産Tシャツです。KUONは襤褸や裂き織りなど、生地にインパクトがあるアイテムのイメージが強くあると思います。ですが、和服からインスピレーションを受けて制作したこちらの2型は、ミニマルなデザインの中にKUONらしさが詰まったアイテムです。
上辺をなぞった「和服インスパイアの洋服」ではなく、パターンを理解しているデザイナーだからこそ作れる「和洋折衷」なアイテムで、KUONならではだと思います。
コーデのコツは“力を抜いてコーディネイト”ですね。テーラードジャケットも、一見カジュアルに見えるアイテムも、人の身体・洋服の構造を理解している(テーラーやパタンナーの経験がある)デザイナーが作る洋服はどのアイテムにも品があります。
なので、肩ひじ張らず、気負わずに着てもらえば品のあるスタイルになると思っています。デザインの好きなモノや挑戦したいモノを合わせてください。
(写真左:藤原さん 写真右:長谷川さん)
― では最後にKUONがこれから目指すことやビジョンがあれば教えてください。
藤原)設立時からずっとMaison(メゾン)になることを目標としています。デザインをするだけでなく、サンプル、販売、マーケティング、PR、カスタマーサービスなど、すべてを自社で完結、行うことがこれからのファッションブランドには必要だと思ってますので、そうなりたいです。
その中で社会的課題の解決も並行して行なっていく、というのが理想です。また、KUONはコレクションブランドなのでパリコレクションに参加をして、そこで活躍するというのも目標の一つです。
KUON Flagship Store
東京都渋谷区神宮前2丁目15−10
[平日] 13:00-19:00 ※水曜定休
[土日祝] 12:00-20:00
KUON official site
写真:石井裕也
横浜市在住のフリーランスフォトグラファー・デザイナー。人物や風景をメインに物語や空気感が伝わるような写真を撮ります。月200曲の新譜をチェックする無類の音楽好き。移動手段はスケートボード。
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