群馬県みなかみにある、ボロシリケイトガラス工房Taiga Glassの店主である畠山太雅氏(呼称タイガさん)とは、ガラスを習ったことがきっかけで、かれこれ、もう1年半ほどの付き合いになる。
タイガさん夫婦が、2008年に群馬県みなかみでTaiga Glass工房を開いてから、今年で12年目。タイガさんのつくったボロシリケイトガラスの作品に、訪れたお客さんは「惹きこまれて目が離せない」と口をそろえる。彼のつくるガラス作品が人を魅了してやまないのはなぜか、その理由を探るためタイガさんにお話を伺った。
ボロシリケイトガラスとは?
そもそも「ボロシリケイトガラス」ということばに、聞き覚えがない人も多いのではないだろうか?
ボロシリケイトガラスとは、ガラスの中でも透明度が高く、熱への耐性や強度に優れた種類のガラス。耐久性の高さにより、従来からビーカーなどの理化学実験器具や、料理用の保存容器などの道具として長く利用されてきた。
2000年代に入ってからは、ボロシリケイトガラスの軽さや割れにくさがアクセサリーなどの装飾品づくりに合うとして、芸術方面からも知られるようになる。
アメリカを中心に、日本でもボロシリケイトガラスを道具ではなく、装飾品やアート作品としてとらえる動きが広がりをみせている。
装飾品としてのボロシリケイトガラスは、ペンダントトップ、イヤリング、指輪、置物などを中心に、作家のアイデアひとつでさまざま。
色ガラスの組み合わせや、金や銀などの吹き付けなどにより複雑なデザインを形にすることができるため、作品の仕上がりは職人・作家の色が強く出る。
同じペンダントトップであっても、職人の技量・センスによってできあがる作品に大きな違いが生まれるのがボロシリケイトガラスの特徴だ。
ボロシリケイトガラスの歴史は長いものの、装飾ガラスとしては数十年とまだまだできたてのジャンル。
そんなボロシリケイトガラスに、タイガさんはどのようなきっかけで出会い、みなかみで職人になろうと思ったのだろうか?
(次のページに続く)
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