365日ほうきと向き合う
販売は催事と一部の店舗のみ。引き合いは多いが、工房での直売や発送は受けていない。そうした作業にまで手が回らないからだ。それよりも一本でも多くのほうきを作ることを選ぶ。
「1年間に一人で作れる数は、500~600本くらいです。一本一本、自分の娘をお嫁に出すような思いで作っています。だから大事にしてくれる人に使ってほしいです」。
3人が家で顔を合わせても、いつもほうきの話。たまにある休日でもいつの間にか3人が工房に集まっている。初めは家業を継ぐことに反対した勝義さんと純子さんも、「忙しくて大変」と言いながらも嬉しそうだ。
資修さんの話からは、大変な作業をも苦にしない、あるいは大変でもその苦労を乗り越える、ほうき作りへの思いと情熱が感じられる。
「以前は『仕事はお金じゃない』なんてセリフはきれいごとだと思っていました。でも、ほうき作りを始めてからは、そう思うようになりました。お客さんからのメッセージが次につながっています」。
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