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様々な品種の梅
こちらの梅の主な品種は、大きい親梅は白加賀。白加賀という品種は江戸時代から栽培されており、生産量の多い梅です。全国で作ってはいますが、主な産地は関東地方です。和歌山で有名な南高梅と同様、実の粒は大きく、陽光に当たった面は熟すとともに紅を差してきます。果肉は緻密で肉厚ながら繊維が少ないので、梅干しに適している品種なのです。
園に植わっている他の品種は、特大品種というのもあって、高田梅、紅の舞という名前だそうです。逆に小さな梅もあります。小梅干しに使う梅は、織姫というのが主品種です。他にも竜峡小梅(カリカリ梅用の小粒の品種)なんていうのも植わっているらしいです。
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もぐらの穴
農園の土にはミミズがいっぱいいます。「肥料やってるからね」「今年は牛糞かな。去年は違う肥料やった」と独自の考えで土づくりを実践。そのおかげで土の中には微生物がいっぱいいるようです。だからそれを餌にするミミズもいっぱいいます。するとミミズが主食のもぐらの穴が至る所にできることになります。
岡田さんはなんせ一人で農園の管理から梅関連商品の製造、販売まで行っています。こだわりの梅製品の筆頭が梅干し。他に梅酢・梅シロップ・梅みそ、究極のものは、青梅を真黒くなるまで煮込んだ梅エキスというものも製造しています。昔、お腹が痛くなると、親が白湯に茶さじ一杯程度を溶かして飲ませてくれました。殺菌作用が強いといわれているものです。
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さて、今回の文章の最初に申しましたとおり、岡田さんの梅干しは、酸っぱくてしょっぱ過ぎない。そして梅本来の素材の味が生きています。つまり下手な味付けがされていないのです。こちらは、仲間に頼んで作ってもらった梅干しの製造現場、梅を干すハウス内部です。
普通の梅干しは15%ほどの塩で漬けています。それを一度塩抜きをして、味付けをしています。それはそれで美味しいです(旨味調味料で味付けされているのですから)。でも塩抜きをすると、梅にあるクエン酸もある程度抜けてしまい、梅本来の味ではなくなってしまいます。
岡田さんの梅干しの特徴は、秘伝の方法で最初から8%の塩で漬けて仕上げまでするので、一切塩抜きしていません。梅の成分そのまま、味もそのままなんです。だからここの梅干しは、素朴で飽きがこない味だし、しっかり酸っぱいのです。
(取材日:2020年2月上旬)
榛名の梅干し 親梅 減塩7%
樹上で完全に熟した梅だけを使った梅干しです。秘伝の方法で、塩抜きせずに最初から7%の減塩で仕上げているため、梅本来の味を十二分に味わえます。
生産地:群馬県
内容量:900g
PRICE:4,000円
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