ツバキモモ(椿桃)・ヒカリモモ(光桃)・アブラモモ(油桃)
ネクタリンという桃の品種をご存知ですか? 上記はネクタリンの別の呼び名です。ネクタリンと聞くと「すももに似たやつでしょ」という人が多いです。また、昔からある缶ジュースの名前「ネクター」を連想する人もいます。ネクターという言葉の語源はギリシャ神話にあり、美酒「ネクタル」のようにおいしいという意味合いがあるようです。通常は、果実をすりつぶして作った植物繊維入りの濃厚なジュースのことで、ネクタリンのジュースではありません。
すでにイメージがついているものを打ち破るのはとても難しいことです。なので、敢えてネクタリンの違う呼び名を並べてみましたが、どれも興味をそそるような名前ではないのが残念です。
数年前から人気が出ている黄金桃という品種があります。缶詰に使われることが多い黄桃(おうとう)の仲間ですが、生で食べても美味しい品種が栽培されるようになりました。普通に栽培すると、他の桃と同じように表皮が赤くなるのですが、収穫まで袋に入れたまま太陽の光を遮断することで、表皮が黄色い黄金桃を作っています。固定されたイメージもなく、見た目を表した分かりやすいネーミングが、今の黄金桃の人気に繋がっていると思うのです。
ネクタリンの熟れた生果実の味は、他にはない特別な美味しさ、そして高級感があります。食べてみると、それまで持っていたイメージが変わりました。過去の印象に縛られてしまうのは、もったいないと思った果物です。7年前、山梨の道の駅で偶然出会ったネクタリン。それは、イメージしていた実まで赤く、小玉ですっぱい”すもも”みたいな果物ではありませんでした。大きな実の表皮にはうぶ毛がなく、つるっとしていて、甘くいい香りが漂っています。皮を剝いて食べると、ねっとりとした黄色い果肉は驚くほど甘く、鼻の奥に残る香りとアクセントの酸味が、それはそれはおいしい果物でした。南国のフルーツにも通じる甘さを感じますが、ただ甘くて香りが強い南国フルーツは飽きがきてしまうものです。ネクタリンには、そこに心地よい酸味があるため、日本人に好まれる果実だなと思います。
このネクタリンを作っている農家さんに会いたいと思い、購入した値札に書いてある農家さんの住所を頼りに、農園を尋ねました。農園は、甲府盆地の東に位置する山梨市にありました。丹澤農園は三代続く果樹農園で、場所は扇状地の下にあり、水はけが良く、特に果物作りに適した土壌です。果物は気候風土が育ててくれるから、適地適作は重要です。現在の園主は先人の作ってくれた園地で、環境に配慮した特別栽培に取り組み、次の世代に豊かな資源を継いでいきたいと考えています。
「樹が元気であれば、できる果物もおいしいし、農薬に頼らなくても作れる。樹の持つ自然の力を引き出すことに努力する。果物を作るのは樹で、私たちはその手助けをしているだけだから。食べた人が元気になる、そんな果物を作っていきたい」
毎年通うたびに樹上で熟れすぎたネクタリンを試食させてもらいます。それは、経験した者にしか分からない美味しさ。皮は手でするっと剝け、ダラダラとしたたり落ちる果汁にかまわずかぶりつく! 異様なほどの甘さが口のなかに広がるこの幸せ。こんな美味しさを届けられたらいいのになあという想いが今の仕事に繋がっています。
ネクタリンの熟れ方は、クリマクテリック型と呼ばれる一気に熟すタイプ。同じ熟れ方をする果物に、マンゴーがあります。マンゴーの実は熟れると、自ら木から落下します。しかし、ネクタリンの場合は、農家さんが一玉一玉、手で触った感覚で判断し、収穫しています。産地から届いた段階では、完熟の一歩手前が多いので、荷物が着いたら、まず箱のふたを開けて、常温の風通しの良い所に出してください。そして、数日以内に、実を軽く持ち上げて柔らかく感じたら熟したサイン。1~2時間冷蔵庫で冷やして食べてみてください。どの果物でもそうですが、冷やし過ぎると食感が悪くなり本来の甘さも感じられなくなることがあります。お気をつけて。
山梨県産 スイートネクタリン
ねっとりとした食感と甘さは格別。桃と同じくらいの大玉で、果肉もしっかりしていて身崩れしにくく、酸味も甘味も十分にあるバランスのとれた美味しさです。
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