美味しく食べて、健やかに元気にすごしてほしいという、作り手の祈りや願い。食べることは生きることだけではなくそれ以上の意味を持っている気がしています。
郷土料理はただの「食」ではなく、そこに暮らす人の生活、土地、気候、文化など、様々な背景を知ることができるもの。ここでは、各地に根付いた郷土料理についてご紹介していきます。
今回は宮城県の郷土料理「ずんだ餅」です。
家族総出で作るずんだ餅
ずんだ餅は宮城県を代表する郷土料理です。ずんだ餅の名前の由来は「甚太という農民が作り始めた」という説や「豆を打つ音、ずんだ(豆打)を表している」など諸説あります。
餅を食べる機会の多い宮城県では、正月、婚礼、法事、葬儀などの年中行事でも欠かさず餅が食べられています。ふすべ餅、くるみ餅、ごま餅、ずんだ餅など、餅の種類も豊富です。
ずんだ餅の餡は作るのに手間がかかるので、子供達がさやから枝豆を取り出すお手伝いをしたりと、昔は家族総出で作るものだったそうです。
美しい緑色をしたずんだ餅の餡は砂糖と少々の塩で味付けされます。ずんだ餅は本来であれば餅で作るものですが、最近では手軽さを重視し、白玉にずんだ餡を絡ませるタイプのずんだ餅も増えています。
ずんだ餅の作り方
今回は、家庭で再現できる簡易版として、白玉粉を使ったずんだ餅を作ります。
枝豆はさや付きで200g程度。さやから豆を取り出して、薄皮もむいておきます。
薄皮をむきおわった枝豆は包丁であらくみじん切りにして、すり鉢とすりこぎでペースト状にします。(すり鉢・すりこぎではなくフードプロセッサーなどを使用するとより簡単です!)
小鍋にペースト状にした枝豆と砂糖25g、塩少々を入れ、加熱しながら練るとずんだ餡の出来上がりです。
白玉作りは、白玉粉100gに水90mlを少しずつ入れ、まとまってきたら耳たぶくらいの固さになるまでこねていきます。
一口大に丸めて真ん中にくぼみを作ったら、沸騰したお湯に入れ2分ほど茹でます。水にとってしばらく冷まし、先に作っておいたずんだ餡をのせてずんだ餅の完成です。
冴え冴えとした枝豆の緑色と、真っ白な白玉の美しい配色。見た目も涼やかで、食べると枝豆の素朴な甘味と風味が広がります。夏の疲れた体に染み入る、しみじみとした美味しさがありました。
宮城県を代表する郷土料理、ずんだ餅。ぜひご自宅でも試してみてください。
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