あなたがもし
「このところ疲れがまとわりついている」
「なんとなく気分がモヤモヤする」
と感じているならば、この場所を訪れるといい――。
今回はそんなお話です。

ログハウス湖

私はこれまで、キャンプをしたことがありません。「虫が怖い」「テントの設営や食事の準備など、やらなければいけないことに追われてリラックスできなそう」……そうしたイメージを抱いていたため、休日にあえてキャンプをするという選択肢がなかったのです。

でも、たった一度の経験で、その想いが見事にひっくり返ることになりました。

先日、富士五湖のほとりにある、とあるキャンプ場を訪れたときのこと。ゲートを潜ると、そこにはフィンランドのログやツリーハウス、テントヴィラが立ち並び、ひとつの“村”のような空間が広がっていました。

まるでムーミン谷のような光景に、胸が小さく踊ります。

写真・テキスト:三橋涼子

ライター、フォトグラファー。旅と喫茶店とクラシックカメラが好き。

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ツリーハウス
窓カーテン
テントヴィラ

もちろんここはキャンプ場ですから、日が暮れる前に自分で火を焚かなければなりませんし、ダッチオーブンを使った料理は完成まで2〜3時間かかります。

やはり忙しい……とも言えるのですが、だんだんと日が沈み、空の色が変わっていく中、日常と異なる手仕事をするのは思いのほか楽しいもの。

たとえばホテルに泊まっていると、夕食まで何もすることがない……という時間は、意外と退屈。なんだかんだとスマホを手にしてしまうものですが、森の中という非日常に身を置き、必要にかられてからだを動かしていると、気持ちのよい集中力がやってきて、頭の中がスッとしてくるのです。

ローストコーヒー豆

また、夜が訪れ、焚き火のゆらめく灯りの中で過ごす時間は、その場所をより一層ムーミン谷に近づけます。

“ムーミン谷は、ムーミンたちが美しい自然とともに暮らす、のどかで平和な場所。その谷で一番大きい建物が、ムーミン屋敷であり、一家は、外からやってくるどんなに変わったお客さまでも歓迎します。”(ムーミン公式サイト

そう。私たちはムーミン谷の住人にでもなったかのように、周囲のテントから漏れ聴こえる音楽や笑い声に、思い思いの方法で愉快にくつろいでいる“仲間の気配”を感じ、不思議と安らいだ気持ちになるのです。

炎

確かにちょっぴり騒々しい人もいましたが、それは「ムーミン谷のちょっと変わったお客さま」ですから、まあ、仕方ありません。やがてお客さまたちもムーミン谷の雰囲気に慣れ、ゆったり過ごし始めます。

夜も更けた頃、夕暮れどきにしっかりと動かしていたからだに、眠りはすんなりとやってきます。穏やかなざわめきに包まれ、冬眠するムーミンたちのように深い眠りについたら、翌朝、気持ちのいい目覚めが訪れるはずです。

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