第四話「クラファンに挑む職人」
世界規格のお椀
一人でオリジナルブランド作りにいきづまっていた私は、次の一手を考えあぐねる棋士の気分であった。眉間にシワを寄せて食い入るように碁盤を見つめてはいるものの、思考回路はショート寸前。
それでも粘って長考を続けるあまり、口元はカールおじさんばりのうすらヒゲに覆われはじめていた(ような気がする)。
もっと早く誰かに相談していればよかったのだが、私の無駄な孤軍奮闘を月に代わってお仕置きしてくれる美少女戦士が現れることはなかった。
そして私は、自分の碁盤をちゃぶ台のごとくひっくり返した。前回ご紹介したデザイナー竹浪氏に協力を求めたのである。ことごとく人に助けを求めることを苦手としてきたこの私がである。気づけば私の口元を覆っていた”カールおじさんヒゲ”は消失していた。
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