北海道を代表する果物の赤肉メロン。
キング系とレッド系の2種類あることはご存知ですか?
それぞれに味や香り、日持ちに違いがあるのはもちろん、
一方は組織の管理体制、もう一方は作り手の個性に
特徴があるのも興味深いところです。

夕張メロン

キング系の代表は夕張メロン

今では北海道の代表的な果物の1つとして全国的に有名ですね。味・知名度・高級感でマスクメロンと並ぶ高級品種となっています。大果でマスクメロン同様、果皮にはびっしりときれいな網目が入っています。

夕張メロンは、夕張市農協に集荷され基準をクリアしたものだけに与えられる商標で、共撰認定シールが貼られランク付けされています。例えば、優品は糖度11%保証で1.0~2.2kgの条件を満たしている必要があります。

夕張メロンの正式名称は「夕張キングメロン」といいます。1950年頃に夕張市の地域活性化を目的として開発された交配種です。甘みの強いアールスフェポリットを母に、低温な気候でも育つ赤肉系メロンのスパイシーカンタロープを父に持ちます。そのため、高い糖度とジューシーさ、甘い香りと低温の環境下にも強いオレンジ色の果肉を持つメロンができました。

夕張メロン夕張メロン

夕張メロンの種は、夕張市農業協同組合の金庫に厳重に保管されていて、徹底した栽培方法を守り厳格な品質検査に合格したものだけが夕張メロンを名乗ることができます。その名は夕張市農業協同組合の登録商標となっていて夕張市以外では作ることができません。なぜなら夕張の農協の組合員しか種を貰えないから。

しかも、このメロンはF1種で、その特徴を1代目にしか発揮しないのです。一代強勢といって、交配したときの父親と母親の優れた性質を、その子一代に限り発揮する遺伝学上の特性があるのです。

果肉は赤みを帯びたオレンジ色。柔らかくジューシーで、糖度的にはそれほど高いわけではありませんが、独特の風味が特徴で味のバランスがよいため、とても甘く感じます。

ただこのキング系メロンには大きな弱点があります。それは日持ちしないこと。収穫したあと3~4日程度で熟れてしまい、さらに時間が経つと中身がとろとろになる。鮮魚並みなんです。だからなかなか店頭ではお目にかかれないですよね。現地に行くか産地直送か。まあ、この徹底した組織管理とメロンの特徴が価値を生み出してるわけです。

産地直送 夕張メロン

<7月上旬~下旬にお届け予定>

優品大玉 約2kg×1玉
3,880円(税別)
STOREで購入

優品 約1.3kg×2玉
5,180円(税込・送料込)
STOREで購入

宮川農園のメロン

作り手の個性が光るレッド系のメロン

レッド系の代表はルピアレッドという品種です。これも表面に細かい網目が綺麗に入るネット系メロンです。大きさは1~2kg程で、皮は薄く果肉はオレンジ色で肉厚です。見た目にキング系と見分けが付かないかもしれませんが、果肉は夕張メロンよりも糖度が高くなる傾向があり、とてもジューシー。追熟前はギュッと引き締まった歯ざわりがありますが、熟すと口の中でほぐれるほど柔らかくなります。

なにより、キング系が早く追熟して日持ちしないのに対し、レッド系は比較的果肉がしっかりとしていて日持ちがします。糖度が高く、日持ちはよい。形、ネットの張りもよい。着果性、肥大性も安定しています。

北海道地区ではルピアレッド以外にもR113やティアラなどのレッド系メロンがあり、今後も新品種は出てくるでしょう。

夕張メロンに負けないほどの風味や香りを持ち、甘くて瑞々しいメロンですが、比較すると安価で特別な日でなくても気軽に購入して食べることができるのが嬉しいです。

そして夕張などのように組織が管理していないメロンは、作っている農家さん自体がブランドです。その作り手によって味や表情に個性が出てきます。そこが一番面白いポイントです。

宮川農園宮川さん

農家さんに会うため北海道へ

今回は、江別で5代に渡り農家を営んでいる宮川さんを訪ねました。

江別は明治時代に屯田兵が入地し開拓されました。石狩平野の中央に位置し日本三大河川の石狩川が流れ、肥沃な土地が広がっています。日本海から太平洋に向けて、四季を通じて強い風が吹き、特に4~5月にかけての南南東の強風が特徴的です。

積雪は山間部に比べると少ないですが、ハウスが壊れないように冬はハウスをばらします。もともとブランドメロンの栽培が行われていた地。12haの土地にメロン、米、とうきび、カボチャ他各種野菜を生産しており、野菜は半分がハウス栽培で生産しています。

宮川さんは大学卒業後、東京の工業系企業に就職するも、農家をやりたいという想いを捨て切れずに帰郷し家を継ぎました。食べ物を作る者として、自分の子供たちに食べさせたいものをお客様に提供するという想いがあります。

農園のこだわりは昔、飲料水としても使用していた新鮮な地下水を汲み上げて野菜に与えていること。そして土作りを大切にし、土地の特性を活かし自分たちの作りたいものではなく、土地に合ったものを作っているところです。特にお米とメロンは自身作。「素材のよさ」という贅沢を感じてほしいという想いで日々、農作業をしています。

産地直送 宮川農園の赤肉メロン

<7月下旬~8月上旬にお届け予定>

1.6~1.8kg×2玉
3,980円(税込・送料込)
STOREで購入

美瑛農家さん美瑛のメロン

有機栽培の赤肉メロン

もうひとつ美瑛の農家さんのレッド系赤肉メロンをご紹介します。

こちらのメロンはハウスとトンネルで作られている無農薬栽培です。JAS有機認証を取得しています。メロンの有機栽培は困難の連続で独自のノウハウを構築するのに長い年月を要します。他の有機栽培農家さんのお手本となっておられる方です。

こだわりは樹に完熟するまで実らせておくことです。「早なり」「早もぎ」などの自然の摂理にしたがわない方法では美味しい果物は作れない、という信念を持っています。完熟したサインである離層リングが出てから収穫します。

通常のメロンはヘタの部分にリングが出ると、柄の部分が取れやすくなるため、何日も店頭に置いておく市場流通では、この離層リングを敬遠します。しかし産直であれば本当においしい食べ頃に収穫することができるのです。

産地直送 有機栽培の赤肉メロン

<8月上旬にお届け予定>

1.4~1.6kg×2玉
4,600円(税別)
STOREで購入

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